東海地域で大地震が起きると考えられている理由
駿河トラフから南西に向かって繋がる南海トラフに沿った海域では、大規模な地震が100年から150年位の間隔で繰り返し発生してきました。下図は、その都度AからEまでの小領域のうち、どこが震源域となってきたかを示しています。
東海地震の震源域はE領域に相当しますが、この領域はかつても震源域となっており、十分に地震を発生させる能力を備えていると考えられています。ところが、1944年、1946年とつづいた東南海、南海道地震では、E領域は破壊されずに残ってしまいました。つまり、E領域は約150年間震源域となっておらず、これが「いつ起きてもおかしくない」と言われるひとつの根拠です。
南海トラフから駿河トラフに沿った領域で発生した過去の巨大地震の震源域(出典:石橋・佐竹(1998)を一部改変)
(図をクリックすると詳細図が表示されます) また、駿河湾周辺の地殻の歪の蓄積状況が測量などによって調べられており、現在まで着実に歪エネルギーが蓄え続けられていることが確かめられています(下図)。すなわち、駿河湾周辺域は日本列島で最も地殻の歪が蓄積された地域のひとつであり、このことがさらに東海地震の切迫性を裏付けています。
なお、この東海地域は国土地理院で設けている地震予知連でも観測強化地域と指定されていますが、その観測データから読みとれる「想定固着域上盤における地震発生率と浜岡−掛川間の水準測量結果
(科学技術庁防災科学研究所資料)」というグラフからは,浜岡 の沈降の低下が見られると解釈が示されています.
また1996年ごろから地震発生率も低下しており、この沈降の低下とともに、大地震発生の前兆と考えられる現象です.小地震が起こらなくなったということは,岩盤中の
隙間がなくなり、これ以上変形を受け入れる余裕が無くなっているということなのです.予知連のが発信している情報について詳しくは、http://cais.gsi-mc.go.jp/YOCHIREN/をご覧ください。
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