|
|
東海地域においては、昨年以来潜り込むスラブ内(海のプレート)において地震活動の低下が見られましたが、地震発生数は最近定常的なレベルに戻りつつあるように見えます。→
1
なお駿河湾及びその西岸域の地殻内(陸のプレート)の地震活動については、やや活動の低い状態が依然として継続していると考えられます。また、東海地域の地殻変動(震源面)には注目すべき特別な変化は観測されていません。→
2
大地震が発生する前には、その周辺域で地震活動が低下することがあることが知られています。現在東海地域で見られる地震活動の静穏化は、東海地震の前兆現象である可能性もあるため、気象庁では注意深く監視を行っています。 |
海のプレート で起きた地震回数積算図
|
|
|
|
|
【解説】
1
|
海のプレートでは
「地震活動の低下」の度合いが減り、 定常的レベルに戻りつつある。 |
駿河トラフから静岡県の下に向かって沈み込む海のプレート(フィリピン海プレート)の地震活動について地震回数積算図です。 これは、東海地震の震源となる領域と考えられている領域内で、地震が、時間とともにどのように発生しているかを表しています。
もしも地震の発生する頻度が時間的に一定なら、グラフは右上がりの一直線となるはずですが、昨年半ばあたりからカーブの傾きが小さくなっています。これは、地震の発生頻度がそれまでより減っていることを表します。これをコメントでは「地震活動の低下」と表現しています。
2000年に入ってから、ややこのカーブが上向いてきており、10月には15個、11月には14個と、昨年半ば以前の平均を上回る個数の地震を観測しました。地震回数積算図を見ても、最近のカーブの傾きは昨年半ば以前の傾きに戻りつつあるように見えます。
|
陸のプレート で起きた地震回数積算図 |
|
|
|
|
2
|
陸のプレートでは
あいかわらず、地震活動は静穏化している。 |
陸のプレート(大陸プレートの地殻内部)の地震活動についての地震回数積算図です。
この領域では、1996年頃から地震活動の静穏化が認められてきました。これをコメントでは「やや活動の低い状態」と表現しています。 地震回数積算図には、静穏化が始まった以降の1997年からの活動のみがプロットされていますので、静かなりに定常的な、おおむね曲線の傾き一定で推移しているわけです。この状態は依然として継続しています。
|