建築の専門じゃないけど、行って、おもしろいの?? という声も聞きましたので・・・ネタバレにはなりますが、ちょっとご紹介!
自然の恵みを、素材と対話しながら使いこなす職人たちからうまれた数々の言葉を知る事は、じつは、日本文化そのものを知る事にもつながります。たとえば・・・聞いたことある、日々使っている言葉もたくさんありますよね??
伝統建築の世界で使われていた言葉が、いまでは日常の言葉になったものもいろいろ・・もともとはどういう意味だった? 転じてどうなった?・・高橋さんの話を聞いてみれば、その奥深さに「ふ〜〜ん!」とうなること、まちがいなし。建築関係でない方にも、おすすめの講演会です!
もうひとつ、感心するのは、ものづくりが工業製品でなかった時代の、職人の手の仕事の工夫のすごさ。たとえばこの「無双窓」スライド式で、風や光を取り入れたり遮断したりできる「無双窓」ここまで工夫しちゃう、職人の心意気。エアコンあったら、こんな工夫しないかもね〜
コトを進めるのに、まずとりかかることを「いの一番」と言います。これは、いろは・・と一二三・・と碁盤状に目盛りを打った板に、木をどう組むかを記した「板図」に書かれた「番付」に由来しています。「番付」とは、家を組む構造材すべての両端に「いの一番」「はの五番」などと墨書される記号で、その材がこの板図のどこにあたる材なのかわかるようにしたものです。板図、紙みたくヨレヨレにならなくて現場でも使いやすい! し、棟梁の手書きの字から、お人柄がにじみでます。
そして、伝統木造建築のおそらく最大の特徴は「身近な自然素材を使うこと」。今でこそ希少価値ですが、トラックもなく、工業製品のまなかった時代には、それがあたりまえ、というか、それしかなかったのです。自然素材って、ふたりと同じ人間がいないのと同じ、個性豊かなもの。今の工業システムからみれば「ひとつひとつがバラバラ、質がそろってなくて扱いにくい!」もの。大量生産にはまったく向きませんね。ひとつひとつの素材を触って、よく見て「ここはこうして使ってやろう」というのが職人の知恵。もの言わぬ、自然のものと、対話していたのですね。
・・こんなお話がたくさん聞ける講演会です。