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12/31 20世紀最後の祈り
1/1 21世紀夜明けの祈り
東京から広島へ。1日20-25キロの行程を歩いているWALKの「巡礼日誌」です。
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カトリック河原町教会→三条大橋→鴨川→十条→竹田→八幡→枚方大橋
おだやかな朝。今日から、素也と実杜も歩くことになる。まむさんの道案内でみんな町の中から川沿いの道をたどる。途中、三本の川が合流する地点でお昼。朝、昼ともにうちからもっていったパンを食べてもらうことで、サポーターの人の手間が大分省けた。冬のロングウォークの井の頭公園の時と同じような感じ。都会でのサポートの大変さを思い出す。予想よりみんな食欲があり、パンはあっという間に売り切れ。また焼かなくちゃあ。
後半は広々とした河原沿いに歩く。トムさんからアベナキ語のこと、ケベックでの暮らしなど、歩きながらいろいろ聞く。アベナキの言葉で川はカワ、オカという地名は二つの丘・・・カナワキといった地名など、いろいろおもしろい発見がある。またカナダは「村」、ケベックは「家(くに)へ帰れ」(白人に向かって言った言葉らしい)という意味だとか。
広大な森林の中で暮らすカナダのインディアンたちは、日本からの人を受け入れることが可能で、そういう交流の場をもうけたい、というようなことも語る。翌朝、シンゴに向かって「むこうのインディアンと結婚して森に住んだらどうか。おまえなら気に入るはずだ」と本気か冗談か分からないが、そんなことも言っていた
夜、分灯式。日蓮宗のお寺のやり方、そしてトムさんの古いアベナキのやり方。それぞれが尊重され、すばらしいものになった。500年の寺の歴史で初めてのことだ、言葉にならないくらい感動した、と住職が涙ぐんでいた。
地元の若い人たちが用意してくれた、おいしいカレーやサラダをいただく。夕食後の交流会でトムさんは「1976年まで、アメリカでは自分たちの言葉でしゃべることすら禁止されていた。今、日本で心おきなく自分の民族の言葉で話し、祈れるということは、とても嬉しい」と語る。アベナキの言葉はとても美しい言葉だ。こういう美しいものが消えていくのは、魂が消えていくのと同じようにさみしい。言葉の分灯も必要だ。こういうWALKに、小さいこどもたちがいることの意味は大きい。こういう「魂を受け継ぐこと」がこどもたちの大切な役目といえるかもしれない。
(塩田永)
カトリック河原町教会を7:30頃出発。新しい人たちも加わり、合計20人くらいで歩き始める。途中、全員に少しばかりのタバコが配られ、川を渡る時に捧げた。あいかわらず、前列と後列の差がはげしい。皆の意識のちがいがそのまま形にあらわれているように思った。できることならば少しの時間でもいいから、皆でサークルを囲み、お互いの意識確認などができればいいな、と思った。やはり何のために歩いているのか、なぜ広島なのかなど、はっきりしたビジョンを一人一人もっていかなければいけないように思う。
木澄寺に到着、分灯式はじまる。みんなが大きなサークルを囲み、ご住職のお祈りの言葉からはじまって、その後トムがアベナキ族の古いセレモニーを行った。焼香の香りとセージの香りが部屋中を包み、一人一人の祈りとともに分灯が行われる。ナムミョウホウレンゲキョウ大合唱のうち、無事分灯式終わる。日本とインディアンの人たち、それぞれのセレモニーが一つに交じり合い、こうこうと燃えている火を見ながらあらためて、民族を超えたひとつの祈りを感じた。
記念撮影を終え、それぞれの持ち場に戻る、女の人たちはこの日、一つのサークルを囲み、いろいろな話をすることができた。これからもこのような話し合いが行われ、もっとみんなが歩み寄って広島まで行ければいいな、と思った。
(アキーニ)
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